2011年02月07日

Killer R&B * New Breed R&B / JAYWALKING - The Upsetters

jaywalking_upsetters.jpg

JAYWALKING - The Upsetters [Fire #1029] 1960
(The Upsetters)

A Bobby Robinson Productions
Fast Music
Clarama Music
Hand Writing Matrix: FM-163-45 / FM-164-45
Machine Stamp: Sheldon



前回のレコード紹介記事でもグループ名の出ていた『ジ・アップセッターズ』で、7インチ・レコードを一枚ご紹介。

upsetters_no_connection.jpg
The Upsetters - UK Charly編集のV.Aアルバムのジャケット画像

“King of Black Rocker”「リトル・リチャード」のオリジナル・ロード・バンドとして、R&B・ファンには知られた存在のインストゥルメンタル・R&B・グループとして有名かもしれない。
数年前に執筆させていただいていた、〔On The Hill Records〕さん発行による季刊誌「ロカビリー・マガジン」では、彼らの事を特集した記事「ジ・アップセッターズ〜無冠の凄腕R&B・バンド」を書かせてもらった事もある位、好きで思い入れのあるグループだ。

といっても、彼らはツアー/スタジオ・レコーディング・アーティストの集合体で、半分はゴースト・グループの様な存在だったのではないかと思う。
レコーディングやツアー用にグループ名を必要とされ、後付でグループ名を「ジ・アップセッターズ」と定めたのではないかと考えられる。

1990年代以降には「ザ・テキサス・アップセッターズ(The Texas Upsetters)」としても活動する事になる、グループのリーダー格で、テキサス州出身のR&B・サックス奏者「グレイディー・ゲインズ(Grady Gaines)」は、1950年代前半からプロのサックス奏者として活躍しており、〔デューク/ピーコック〕といった地元のレーベルで、「ビッグ・ウォルター」や「クラレンス“ゲイトマウス”ブラウン」といったR&B/ブルース・セッションにも参加している。

1955年、リトル・リチャード本人から直々に「新バンドを編成したい」という連絡が、グレイディーの元にあったという。
1955年のリトル・リチャードといえば、〔スペシャルティー〕レーベルから『トゥティ・フルーティー』という作品をリリースし、それが大当たりし、一躍スターになった運命的な年である。
ヒット曲が出れば、バンドと共にツアーに出なければならなかったが、この頃の彼の作品といえば、ニューオーリンズの名スタジオ『コジモ・マタッサ』での録音が主で、ここのスタジオ・ミュージシャンはスタジオ・ワークに大忙しだった為、ロード・バンドをやっている余裕など無かったはずだ。

そこで、急遽声をかけられたのが、グレイディーであり、他に召集されたメンバーだったのが「ジ・アップセッターズ」になった(のではないかと勝手に想像している)。
彼らはロード・バンドだっただけあり、メンバーはかなり流動的だったようで、CDやLP、「ブルース・レコーズ A to Z」といった資料から、グループに所属していたとされる名前は以下の様な感じだ。

Grady Gaines, Clifford Burks, Wilbert Smith, Danny Carmicheal (Tenor Sax)
Raful Devers, Larry Lennear (Baritone Sax)
Wilbert Smith, Luke "Fats" Gonder (Piano)
Milt Hopkins, Nathaniel Douglas, Thomas Harwell (Guitar)
Olsie Robinson, Jimmy Rice (Bass)
Emile Russell, Charles Connor (Drums)


リーダーのグレイディーはテキサスの人なので、彼らのルーツはやはりテキサスやロサンジェルスにあるのかもしれないが、全米を移動しながら、ニューオーリンズ、ナッシュヴィル、シカゴ、ニューヨークといった様々な都市でレコーディングを行っているので、どこの地域のバンドとくくるのは難しいかもしれない。
しかし、彼らが得意としたサウンドはやはりニューオーリンズ・R&Bで、これは「リトル・リチャード」が一番活きた『コジモ・マタッサ・スタジオ』風のサウンドを再現しようと試みていたからに違いない。

彼ら名義でのレコーディングはそんなに多くはないが、今回ご紹介させていただく「ジェイウォーキング」という作品は、彼らの名前のみがクレジットされた、数少ない貴重なレコーディングを刻み込んだレコードだ。

1960年にニューヨークの〔ファイア〕からリリースされ、プロデューサーはN.Y R&B界の名人【ボビー・ロビンソン】で、ニューヨークで行われたセッションだ。
メンバー自作によるインストゥルメンタル・R&Bで、サックスやフルートの管隊を前面に押し出した、肉厚なリズム・ナンバーで、メロディーの合間には、悪乗りした掛け声が入るノヴェルティー・タイプのR&B・ダンサー。
全体的に荒っぽい雰囲気だが、彼ららしい非常に味のある演奏を聞かせてくれる。

リズム感だけを重視した、なんてことはない(標準的な)R&B・ダンサーだが、これがめちゃくちゃ熱い。
ずっと同じリフを繰り返しているだけなのに、全く飽きさせる事なく、2:30の間は心を鷲づかみにされっぱなしの、強烈な演奏にぶっ飛んでしまいそうになる。

ジ・アップセッターズ+ボビー・ロビンソンという、夢の様なコラボレーションが生み出した、奇跡の記録ではないだろうか。

Search-
"THE UPSETTERS" to Night Beat Records
Source-
Grady Gaines, Biography - Black Cat Rockabilly Europe
Source-
Grady Gaines, Discography - Wang Dang Dula
♪ナイトビートレコード♪
posted by DJ JAMES at 21:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | YouTubeでレコード紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする | Twitterでつぶやく
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