2010年08月05日

Symphony Orchestra - Stroganoff Cha Cha

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Symphony Orchestra - Stroganoff Cha Cha [Gone #5033] 1959
Hand Writing Matrix: G501 / G500



「B面曲を軸に再評価する、ノヴェルティー・ソングの芸術性」

デトロイトで特に流行ったという、ノヴェルティー・ソング関連で、棚から一枚ご紹介。

50年代からノヴェルティー・レコードはたくさん制作されており、英エイス編集による好オールディーズ V.A シリーズ「The Golden Age Of Golden Rock'n'Roll」でも、Special Noverty Editionというタイトルが作られている程、非常に活況のある種類のポップ音楽だった。

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The Golden Age Of Golden Rock'n'Roll - Special Noverty Edition のCDジャケット
UK Ace Records

しかし現在では“ノヴェルティー・ソング”というと、ふざけた作品や、喜劇的作品というイメージだけが先行し、オールディーズ〜ポップ・ファンの間でも話題に挙がる機会が少ない様な気がする。

50〜60年代当時は、“レコード”というソフトから、いかに人々の興味を惹ける“サウンド”を鳴らす事が出来るかという事も、ポップ・レコードに求められている時代だった。
50年代初頭までは78回転の10インチ・SP盤が主流で、それからは45回転の7インチ・レコードにフォーマットの形式が変わり、より手軽で安価に、割れにくく取り扱いやすいレコードを、誰もが作りやすいという時代が到来した。
(ちなみに33回転の12インチ・LPアルバムも主流になるのは、もう少し先の60年代中頃の事で、LPアルバムの作成にはコストがかかったうえに、プレス技術も良くなかった為、主要なメディアとなるまでには時間が必要だった。)
そういう時代には多くの歌手や作曲家、プロデューサーといったアーティスト/クリエーターが台頭してきたのは必然で、本日ご紹介させていただく人物も非常に評価の高い『リチャード・ドリアン“ディッキー”グッドマン(Richard Dorian "Dickie" Goodman)』という人物だ。

「サンプリング音楽の創始者」の一人としても知られ、56年から86年の間に多くのノヴェルティー・レコードを制作し、「キング・オブ・ノヴェルティー」という愛称でも親しまれている偉人である。
代表的な作品では56年のThe Flying Saucerで、相棒の「ビル・ブチャナン(Bill Buchanan)」と共に制作した、ポップ・チャートで最高3位を記録したノヴェルティー・ソングだ。

Buchanan & Goodman - The Flying Saucer (Parts 1 & 2)
http://www.youtube.com/watch?v=9oxx8WZZD0Q

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1956年8月25日のBillboard Magazine のストア・ポップ・チャートの記事
エルヴィス、プラターズと並ぶ程の人気曲だった事が伺える。


“ブレーク・イン”という手法で、この後も10数枚のノヴェルティー・レコードを生み出し、今回ご紹介のシングルも、59年にゴーンからリリースされた「スペンサー&スペンサー」名義で、「ミッキー・ショアー(Mickey Shorr)」という人物との共作によるノヴェルティー・ソングだった。

本来のA面がStagger Lawrence という作品で、ロイド・プライスの同年ヒット「スタッガ・リー」をサンプリングした作品だった。
YouTubeが無かったので、リンクを貼れなかったが、やはり喋りと音楽を絶妙に繋いでいくユニークな作品となった。

その裏面曲としてカップリングされたのが、「ストロガノフ・チャ・チャ」という作品だった。
ロシアのトラディッショナルなThe Song of the Volga Boatmenという作品が元で、41年のグレン・ミラー楽団によるNo.1 ヒットでも有名な作品だ。

ラジオ局DJやリスナーに対し、レコード制作者が、A面曲とB面曲を明確に示す手段として、毒にも薬にもならないインストゥルメンタルをB面曲としてカップリングする事があった。(フィル・スペクターが、自身のPhillesで多く用いた事でも有名な方略)

しかしこのレコードに関しては、作者の意図とは裏腹に、このB面曲が非常にカッコイイので注目してしまった。
スタジオ・バンドによるレコーディングで、ラテンのリズムを取り入れた“チャ・チャ”ダンス系のインストゥルメンタルR&Rだ。
哀愁の漂うメロディーを、サックスとギターがリードしていくトラッシーな仕上がりで、全体的にわりと黒っぽいうえ、ムード歌謡曲風で親しみやすい面もある。

そしてこのインストをオケとして間もなくリリースされたのが、Argo #5331の「ロシアン・バンド・スタンド」という作品だった。

Spencer & Spencer - Russian Band Stand ~ Novelty 1959
http://www.youtube.com/watch?v=RRq7phYWS7U

この作品もポップ・チャートで最高91位を記録するマイナー・ヒットとなり、彼の代表的な作品となった。
ストーリー展開が面白く、喜劇的要素で楽しめる、笑える一曲だ。
このヒット曲が、デトロイトのDJの間で60年代に流行ったというから不思議だ。

最後になるが、遊び心で、ポップ音楽の可能性を広げた功績はとてつもなく大きいと思う。

2010_8_05_dickie_goodman.jpg
Dickie Goodman

Source-
Dickie Goodman, Biography
(My Space)

Search-
"Dickie Goodman" to Night Beat Records
♪ナイトビートレコード♪
posted by DJ JAMES at 15:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | YouTubeでレコード紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする | Twitterでつぶやく
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