2010年05月19日

Benny Spellman - Lipstick Traces (On A Cigarette)

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Benny Spellman - Lipstick Traces (On A Cigarette) [Minit/644] 1962
Hand Writing Matrix: 45-SO-808 △42264 / 45-SO-809 △42264-X



1931年12月11日にフロリダ州ペンサコーラで生まれた、ニューオーリンズ・R&B シンガー『ベニー・スペルマン』。
なので生粋のニューオーリンズの人ではないが、彼の音楽活動のほとんどはニューオーリンズにあった。
1959年に、ヒューイ“ピアノ”スミス&ザ・クラウンズ一座が公演でフロリダを訪れた際、彼らの運転するトラックはひどい交通事故を起こしてしまった。
そこで困っていた彼らを、再びニューオーリンズに送り返す大役を申し出た男がベニーだった。
ヒューイ・スミス一行は気前の良いベニーをすぐに気に入り、友達になり、そしてベニーはそのままニューオーリンズに住み着いたというから自由なものだ。

そしてクラウンズのメンバーとして従事しつつ、ある時遂にミニット・レーベルとの契約にこぎつけることとなった。
しかし最初の仕事といえば、スタジオ・ミュージシャンとしてのアルバイトの様なバック・ボーカルのみだったが、黒子としての才能は完全にプロのベース・ボーカリストだった。


とそんなある日、60年代のニューオーリンズ・R&B シーンを担った大物、アラン・トゥーサンは“アーニー・K・ドー”の新作録音を行っていた。
ある程度まで制作は進んでいたが、その完成度に満足できなかったアランは、曲のアレンジにベース・ボーカルを用いたく思い、アーニーのレーベル・メイトでもあったベニーに声をかけることとなった。
そしてベニーのコーラスをオーバーダブし世に出た作品が、61年の名作“マザー・イン・ロウ”だった。

マザー・イン・ロウはビルボードのポップ/R&Bの両チャートで、見事No.1を獲得する大ヒットなった。
これはベニーにとっても大きな転換期となった。

実は60年にもミニットから2枚のソロ・シングルを出していたベニーだったが、それらは泣かず飛ばずの不発作で、“マザー・イン・ロウ”のヒットをきっかけに、アランはこの天才的な声質を活かした作品を作ろうと思ったに違いない。

そして2年ぶりのソロ・シングルとして、62年にミニットから出された3作目が、アラン・トゥーサン指揮の下で遂に完成した。
ナオミ・ネヴィル(Naomi Neville)名義でのアラン作品で、ポップ・チャートで最高80位/R&B・チャートでは最高28位を記録する事となった、ベニー唯一のヒット作だ。

この素晴らしき一発ヒットの為に、彼は人生の運気を全て使ったのではないかと思えるほどの快作なのだ。

アラン自身が伴奏する情感的なピアノの旋律に合わせ、憂いを含んだバリトン・ボーカルで歌うR&Bバラードで、メロディアスな曲調をダンディーに歌うアーリー・ソウルです。

恋人に去られ、家にも帰りたくない傷心の日々。
灰皿に残ったタバコには彼女の口紅が残っている。
それを見ると、全ての思い出を思い起こさせ気落ちさせられる。

男の女々しさを歌ったそんな内容の歌詞も、英語ならではの感傷的な言葉として心に響くウィットな失恋物語。

女性コーラスやホーン隊が分厚いグルーヴを奏で、小気味良い裏打ちリズムをギターが刻む、60'S モダン・ニューオーリンズ・R&Bの名作です。
アラン・トゥーサンの才覚が確実に形となっていくのと同時に、まさに新時代の幕開けを告げた、バース・オブ・ソウルとしても重要なナンバー。


65年には、ソウル・グループのジ・オージェイズがカバー(Imperial/66102)し、ヒットさせた(Pop/#48-, R&B/#28-)曲のオリジナル・バージョンとしても知られる作品。

ちなみにこのシングルの裏面は、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ザ・マージービーツ、ザ・ダウンライナーズ・セクト等でもおなじみの、ブリティッシュ・ビートのルーツ的名作“フォーチュン・テラー”で、名実共にダブル・サイダーの名盤なのです。

Benny Spellman - Biography
(Black Cat Rockabilly Europe)

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Benny Spellman
♪ナイトビートレコード♪
posted by DJ JAMES at 20:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | YouTubeでレコード紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする | Twitterでつぶやく
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